ティーショットは、独特な緊張感の中で行われます。一緒にラウンドしている仲間から見られている意識もあり、良いショットを打ちたい気持ちから力が入りやすい場面です。特に朝一番のショットは緊張や身体の固さから、思ったとおりのショットが打てない悩みをもつゴルファーも多いかと思います。
本記事ではティーショットの基本からクラブ選び、戦略まで徹底解説しています。ドライバーに関する知識にくわえて、フェアウェイウッドやユーティリティの使い分け、ティーの高さの影響やスコア100切りを目指す狙い方も紹介します。よくあるミスの改善法や朝一のショットを安定させる準備運動も必見です。
ティーショットの概要と基本知識
ティーショットはゴルフにおいて各ホールの最初の一打であり、スコアを左右する重要なショットです。飛距離を出すだけでなく、次のショットを有利にするための正確な方向性やクラブ選択が求められます。ルールやマナーを守りつつ、戦略的にプレーすることでスコアメイクにつながりやすくなります。
ティーショットとは?
ティーショットとは、ゴルフの各ホールで打つ最初の一打目のことで、前ホールのスコアが最も良かった人から始めます。なお、1ホール目に関しては公式の大会でない限り、ティーエリア付近にあるスタート抽選のくじを使って順番を決める慣習があります。
ティーショットは決められたティーイングエリア(ティーグラウンド)から打ち、フェアウェイにボールを運ぶことが目的です。プレーヤーのスコアを左右する重要なショットであり、ホールのスコアを決める重要な一打となります。
ルールとマナー
ティーショットには、ルールやマナーが存在します。初心者の方も最低限のルールやマナーを知って、気持ちよくゴルフをしましょう。
【基本ルール】
- ティーショットは左右のティーマーカーを結んだ線より後ろで打つ
→後ろはゴルフクラブ2本分の奥行きまで可能 - ティーショットがOBの場合、特設ティーから打ち直す
→基本4打目となるが、コースによっては3打目の特設ティーもある
- ※もし特設ティーが無い場合は、3打目としてティーショットを打ち直すか、ボールがOBエリアに入ったと思われるあたりから2打罰(4打目)として打っても良い
【基本マナー】
- 他のプレーヤーが打つ時は、真後ろやボール付近に影ができる位置に立たない
→プレーヤーの視野に入らない所で、気が散らないように配慮すべき - 他のプレーヤーがアドレスに入りそうになったら会話を慎む
→ティーショットに集中できる環境作りに配慮する - ティーショットを打つ際は時間をかけすぎない
→慎重に打ちたい気持ちもわかりますが、スロープレーに配慮しさっと決めて打つ
プレーファストの観点から準備を素早く行い、スムーズな進行を心がけることが大切です。打つ際には周囲の安全確認も忘れずに行いましょう。初心者の場合は、基本ルールやマナーを頭に入れておき、他の方に確認しながら行うとスムーズです。
ティーショットのクラブ選び
ティーショットで使用するクラブは、飛距離だけでなくコースの状況や自身の得意なショットを考慮して選ぶことが重要です。飛ばすだけがティーショットではなく、コース戦略を考えて、どこにボールを運ぶのかを優先し、確率の高いクラブを選ぶことが大切です。
ティーショット≠ドライバーという選択肢をもつ
ティーショットは、ドライバーで打たなければいけないと考えていませんか?実はティーショットで選択するクラブに制限はなく、ルール上は何を使って打ってもOKです。周りが使っているからという理由でドライバーを持っている方が意外にも多くいます。
その日の調子やコースレイアウトによって、自分にとって確率の高いクラブを選択して、打ちやすい所へボールを運んでいくこともティーショットの大切な要素です。
ドライバー・フェアウェイウッド・ユーティリティの特徴と使い分け
では、ドライバー以外のクラブでは、どのようなクラブを使うのでしょうか。
主にフェアウェイウッドやユーティリティを使う方が多いですが、その特徴と使い分けについて解説します。
特徴 | 使う場面 | |
ドライバー | 一番飛距離が出るクラブであるが、他クラブよりも曲がるなどミスが出やすい | フェアウェイが広く、飛距離を最大限活かせるホール。風の影響が少ない時など |
フェアウェイウッド | ドライバーよりもロフトがあるためつかまりやすく、安定したショットが打ちやすい。飛距離と方向性のバランスが良い。 | フェアウェイが狭いホールや、風が強い時に低めの弾道を狙いたい時 |
ユーティリティ | シャフトがドライバーやフェアウェイウッドに比べて短く、扱いやすい。高い弾道でキャリーが出る | 狭いホールやドッグレッグのコースで安全に刻みたい時 |
ドライバーは飛距離が出る一方、ミスも出やすいクラブです。フェアウェイウッドは比較的コントロールしやすく、ユーティリティは安定感があり使い勝手も良いです。状況に応じて最適なクラブを選びましょう。
「狭いホール」や「風が強い時」のクラブの選び方
狭いホールでは、曲がりにくいクラブを優先的に選びましょう。特にユーティリティは弾道が安定し、フェアウェイをキープしやすいため、確実に次のショットへ繋げることができます。
風が強い時、向かい風なら低弾道でランが出るフェアウェイウッド、追い風ならキャリーを活かせるユーティリティが有利です。横風が強いときは、スピン量の少ないクラブを選びましょう。状況に応じた選択がスコアを安定させる鍵となります。
良いティーショットを打つために最初に考えるべきポイント
良いティーショットを打つために、最初に考えることは「適切なティーアップ」です。ティーアップすることでミート率が上がり、ミスを減らせます。高さによって弾道が変わるなど、ティーひとつで打球を変えることができます。
そもそもティーアップはするべき?
ティーアップは基本的にするべきですが、目的に応じて使い分ける臨機応変さを持っておくことも必要です。そもそもティーアップする意図は、ライの状況を受けずにボールを打つことができ、スイートスポットに当たりやすくすることです。
ドライバーの場合はティーアップで練習することが多いと思いますが、フェアウェイウッドやユーティリティはティーが無い方が打ちやすい人もいます。スイートスポットに当たる確率が高いのであれば、ティーアップをしないで打つ方法もあることを知っておきましょう。
ティーの高さの違いによる影響を知る
ティーの高さはショットの弾道やスピン量に大きく影響します。高めにティーアップすると、アッパーブローで打ちやすくなり、高弾道・低スピンのボールが出やすいため、キャリーが伸びて飛距離を稼げます。
一方、低めにセットすると打ち出し角が低くなって、風の影響を受けにくく、コントロールしやすくなります。
特に強風時や狭いホールでは低めが有利です。自分のスイングや状況に合わせて、最適なティーの高さを調整することが安定したティーショットの鍵となります。
初心者はやさしいティーがおすすめ
安定したショットを打つには、毎回一定の状況を作ってあげることが大切です。特に目印のないティーを使うと同じ高さにセットすることが難しくなり、ショットの安定性に欠けます。
初心者は高さが一定に保ちやすい、高さの目印がある「やさしいティー」を使うのがおすすめです。特にプラスチック製の低摩擦ティーは、インパクト時の抵抗が少なく、ミスヒットを防ぎやすい傾向にあります。
100切りを目指す人のティーショットの狙い方
初心者が100切りを目指すなら、ティーショットの狙い方を工夫することが重要です。フェアウェイキープを優先し、無理にドライバーを使わず、ユーティリティやフェアウェイウッドを選ぶのも有効です。
記載しましたティーアップの位置や狙う方向を工夫し、100切りを目指す考え方について解説します。
2打目の打ちやすい距離と場所を狙う
ティーショットでは単純に飛距離を求めるのではなく、次のショットが打ちやすい位置にボールを運ぶことを優先しましょう。ゴルフとは、飛ばすのではなくいかに少ない打数でカップインさせるかという競技です。
広いエリアや平らな場所を狙うことで、次のショットでミスを減らし安定した結果に繋がります。一打先がどこに行ったら打ちやすいのかを考えてティーショットを打ちましょう。
飛んでいくボールをイメージして構える
ティーショットでは、飛んでいくボールの軌道をイメージして構えることが大切です。狙う方向や弾道、高さを明確にすることでスイングが安定し、正確なショットに繋がります。
目標方向とボールまで架空のラインを引き、その線上にフェースを合わせて構えます。ここからボールだけに意識を集中しがちですが、アドレスに入りながら目標に向かってボールが飛んでいく空間をイメージできると、無意識にスイングが安定します。
上記の内容を意識するとティーショットの打球の出だしが安定し、ミスを減らすことができます。
最悪を避けてティーをセットする
トラブルゾーン(OBや池など)を避けるために、ティーをセットする位置を調整しましょう。
例えば、右にOBがあるならティーボックスの右寄りにボールを置いて左側のスペースを広く取れるようにします。風向きや傾斜も考慮し、トラブルになりにくい位置を選ぶことで大きなミスを無くし、安定したスコアに繋がります。
ティーショットのよくあるミスとその改善法
ティーショットはスコアに直結する重要な一打ですが、ミスが出やすい場面でもあります。特に朝一のチョロやスライス・フック、OBなどは多くのゴルファーが経験する悩みです。これらのティーショットのミスを減らす方法について解説します。
朝一のチョロをナイスショットに変える
朝一のチョロの原因は気持ちの持ち方と身体の動きに分けて考えてみましょう。
例えば、朝一で良いショットを決めたい!という気持ちが強い場合は、最初の9ホールは練習のつもりで、最初は5、6割でスイングし、後半に向けてショットの力を上げていくイメージをもつと良いでしょう。
身体が上手く回らないためにティーショットが上手くいかない方は、後述の運動を試して見ると良いでしょう。特に時間がない場合は、肩甲骨と股関節を動かすようにすると身体の硬さが取れやすいためおすすめです。
スライス・フックの直し方
スライスやフックの原因は、スイング軌道やフェースの向きにあります。スイング軌道をインサイドやアウトサイドに引きすぎず、フェースの向きを目標物に向けてセットしてからスイングをするようにしましょう。
スライスやフックは上記の内容を意識することで、最初からスライスやフックが出やすい構えになることを防ぎ、ミスを減らすことができます。
OBを減らすための戦略と考え方
ゴルフはリスク管理のスポーツと言っても良いほど、リスクを避ける戦略が重要です。無理にドライバーを使わずにウッドやユーティリティを使うことで、OBのリスクを減らします。
より確率が高く安全なルートがあるのならば、無理に飛ばさず確実にフェアウェイに置くことを優先したコース戦略が大切です。
朝一のティーショット前にできる簡単おすすめの運動をご紹介
朝一で身体が動かないためにティーショットが上手くいかない方に向けて、ティーショット前にできる簡単な運動をご紹介します。
クラブを使ってペダルを回す!?
前(まえ)へ倣(なら)えの状態でクラブを両手で持ちます。クラブを持っている部分を自転車のペダル部分だと考えて、その状態から大きく前回しを10回、後ろ回し10回を2〜3セット行います。より大きな円を描くように意識すると、肩甲骨や肋骨が動くようになります。
タンタントンとジャンプして着地を繰り返す
無駄な力みを抜くためには、しっかりとバランスの取れたアドレスを取ることが大切です。
両足で縄跳びのように軽くリズミカルにジャンプしてから、アドレスの形で着地をすることを繰り返すことで、下半身の安定したポジションをイメージしやすくなり、アップしながら余計な力みがとれます。
全身にグッと力を入れてから抜いて脱力する
力みがある人は力んでいる事に気づかないことが多いです。そのような人は、一度全身に力を入れた後、力を抜くようにしてみましょう。立った状態で足先から下半身、お腹、上半身、最後は顔まで力を入れます。身体の中でゲージが溜まっていくイメージです。
全部力を入れたら、3〜5秒キープしてから全身の力を一気に抜き脱力します。これを何セットか行うと、自分の身体の中で力みを感じることができるようになり、力を抜きやすくなります。
本間ゴルフ直営のゴルフスクールでしっかりと基礎を学ぶ
ゴルフを始めたばかりの初心者から、さらなるレベルアップを目指す中級者、スコアの壁を打破したい上級者まで、ゴルフレッスンはあらゆるゴルファーにとって大きなメリットがあります。特に基礎をしっかり学ぶことができるゴルフレッスンは、長くゴルフを楽しむための大切な一歩になります。
初心者の方はもちろん、中級者や上級者であっても一度スクールで基礎を見直すことで、新たな発見やスキルアップのきっかけを得られるでしょう。ゴルフレッスンは、自分のゴルフを一段階引き上げるための最良の選択肢です。
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レベルに関係なく「基本」の習得を重視
本間ゴルフのスクールでは、レベルに関係なく全てのゴルファーに当てはまる「基本」の習得を重視しています。上手くできないことも、基本に立ち返り学ぶことで、あらゆる悩みの解消に繋がる最短の道だと考えます。
ゴルファーとインストラクターが具体的な目標を設定し共有することで、より成長を実感できるため、モチベーションが保ちやすいのもメリットです。
一人ひとりの悩みを解決するマンツーマンレッスン
同じアイアンの悩みでも、ゴルファー一人ひとりの悩みのポイントは異なります。インストラクターがゴルファーとのカウンセリングを通して、悩みの解決に向けてマンツーマンで対応します。
レッスンの場で自身のスイングの改善ポイントが見やすいように、打球解析器などを用いて、より修正ポイントがわかりやすく、充実したレッスンを受けることも可能です。
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自分に合ったティーショットを見つけよう!
ティーショットはゴルフのスコアに大きく影響します。緊張する場面ですが、何をやるべきかを押さえながら、シンプルに考えることが大切です。自分に合う戦略やスイングを見つけ、安定したティーショットを目指しましょう。