スコアを良くするために、クラブ選びやフォームの改善に時間をかける方は多いですが、グリップについて、考えたことはありますか?
グリップは、クラブと体を繋いでいる唯一の接点であり、ショットやバットが安定しない原因がグリップにあることもあります。
グリップは、材質やサイズ、カラーバリエーション、バックラインの有無など多様な種類があります。自分に合ったグリップに変えることで、バックスイングやトップ、インパクトの際の力みや緩みを抑え、ボールの方向性や飛距離が安定することがあります。
本記事では、グリップの選び方やお手入れ方法、交換方法とそれに必要な道具などをご紹介します。
グリップの選び方
まずは、グリップの選び方を説明します。まず、前提として標準品(純正グリップ)と異なる重量のグリップに交換することでクラブの総重量とバランスが変わります。
HONMAではヘッド、シャフト(グリップを含む)の一体設計によって性能を最大限に引き出すクラブづくりをしていますので、基本的には純正グリップとの交換をおすすめしています。他メーカーのグリップに交換する場合には、まず今使っているクラブに装着されているグリップのサイズ、重量の確認から始めましょう。
サイズを確認する
グリップのサイズは一般的に、挿入部の内径を表す58、60、62といった数字とM(メンズ)L(レディース)をあらわすアルファベットとの組み合わせで表記されています。グリップの外径が同じ場合、内径の数字が小さいほど素材が厚くなり重くなります。
グリップが太くなると、クラブの握りやすさが安定して、手首のブレを抑えるためボールの方向性をコントロールしやすくなります。またボールが当たった瞬間の衝撃が伝わりやすいため、手の延長としてクラブを振る感覚を掴みやすいことが特徴です。
コースに出たときに、手首を返しすぎてフックを出す癖がある人は、太いグリップにすることでフェースローテーションを抑え、引っ掛ける癖を抑えることができます。
フックの球が出やすい方は太めのグリップがおすすめですが、グリップを太くすると必然的にゴムの重量も増えることから、クラブ総重量とバランスが変化することも押さえておきましょう。
細いグリップは、飛距離を重視したい方にオススメです。細いグリップは、ヘッドの重さを感じやすく、ヘッドを走らせる打ち方がしやすくなります。特にテンフィンガーグリップで握ると、手首のスナップが効きやすく、ヘッドスピードを上げるスイングが可能です。
細いグリップは、ヘッドスピードを上げて飛距離を伸ばすことができますが、太いグリップを握る時より、インパクトの時にフェースローテーションが増え、方向性のコントロールが難しくなる傾向があります。
飛距離を重視するか、安定性を重視するか考えてグリップの太さを選択するようにしましょう。
素材の握り心地で選ぶ
ゴルフのグリップには大きく分けてゴムでできているラバー系と、ラバー表面にコットン繊維を織り込んだコード入りの2種類があります。それぞれの特徴をみていきましょう。
柔らかくて握りやすいラバー系
現在、多くのゴルファーはラバー系のグリップを使用しており、握り心地が柔らかく手に吸い付くような感触があります。一般的に使用されているグリップのため、カラーや柄の種類、また柔らかさなどにバリエーションがあり、好みのグリップを選びやすい利点があります。
握り心地を柔らかくしたい方や、好きなカラーを使ってゴルフの度にテンションをあげたい方は、ラバー系のグリップを選ぶと良いでしょう。
雨の日など滑りやすい場面で活躍するコード入りグリップ
コード入りグリップはラバー系のグリップに比べてコットン繊維が滑り止めの役割をするため、雨や手汗など濡れたシチュエーションでもグリップ力を発揮します。手が濡れていると、インパクトやスイングの時にブレが生じますが、ブレをしっかり抑えることができるため、悪天候時も安心してプレーできるのが特徴です。
またプロゴルファーの中でも、雨の日でもスコアを崩しにくいということからコード入りを選んでいるケースもあるようです。握り心地がラバー系と比べて硬めになっているため、一度、どちらが好みか試してみるのも良いでしょう。
重さで選ぶ
グリップの太さを変えると、クラブ全体の重さとバランスが変化します。グリップを太くすることにより、手元が浮きにくくなりミート率があがり引っかけのミスも減らすことができます。
アマチュアの方の場合、グリップを軽くすると総重量は軽くなりますが、ダウンスイングで手元が浮き上がりやすくなり引っかけが出やすくなることもあります。安定感を求める場合は、グリップ側に少し重さを持たせるグリップを選択することが良いでしょう。
バックラインの有無
グリップのライン状に盛り上がった突起のことをバックラインといいます。グリップを握る角度の目安があることによって、グリップをいつも同じ位置で握りやすくなります。
多くの人がボールに対して目視でアドレスを構える傾向にありますが、バックラインがあることで常にフェースの向きを一定にしやすく、インパクトが安定します。
フェースを開きながら打つ場面では、逆にバックラインが気になってしまうことがあります。そのため、HONMAのウェッジは標準でバックライン無しのグリップを装着しています。バックラインありのグリップが装着されたクラブのグリップ交換を自分で行う場合、バックラインの位置が少し変わってしまうことにより、クラブの感覚にズレが生じることがありますので、その点は注意しておきましょう。
グリップ交換の判断基準は?
グリップはゴムでできているため、使い込んでいくうちに擦れたり表面の手触りが変わったりします。握り心地は、体全体の力の入れ具合に関わり、スイング全体に影響を及ぼします。ここからは、グリップを交換すべきタイミングや時期を解説します。
滑りやすくなっていないか
クラブを握ってみて、表面の凹凸が無くなり滑りやすくなっている場合は交換が必要です。グリップが滑りやすくなってしまうと、スイング時に無意識に力を入れて握ってしまい、ショットにブレが生じます。
表面に少し光沢が出てきたり、よく握る部分だけ滑ったりする感覚がある時は、迷わずグリップを交換しましょう。
削れていないか
グリップを見た時、いつも握っている部分が凹んだり、削れたりしていませんか?グリップのゴム厚によって凹みやすさは異なりますが、形が変わっている場合は交換しましょう。
また凹みは必要以上に強く握っている可能性もあり、グリップが滑りやすい状態になっている可能性もあります。
このように見た目に変化がある場合は、グリップ交換をおすすめします。
グリップが硬くなっていないか
グリップはゴム素材で作られているため、長く使用していると劣化します。輪ゴムをずっと放置しておくと伸縮性を失うのと同様、グリップも劣化することで硬化し本来の機能が失われます。
ラウンドや練習後にこまめに手入れをすることで劣化を遅らせる事はできますが、長年使用しているクラブを握って、グリップに硬さを感じるようであれば交換時期と考えても良いでしょう。
グリップの交換は1年を目安にするのがおすすめ
良いショットを打つためにはグリップにこだわることも大切です。グリップが滑ってしまうと、飛距離や方向性で感覚がずれてしまうため、定期的に交換するのが良いでしょう。
交換目安は、1年に一度を検討すると良いでしょう。1年間のラウンド数や練習頻度にもよるため、熱心に練習する方や毎週コースに出る方などは、もう少し頻度を上げて交換することをおすすめします。
グリップの交換費用
グリップを定期的に交換するからこそ、快適にプレーするための維持費がどのくらいかかるのか気になる方も多いでしょう。ここからは、店舗に依頼する場合と自分で交換する場合の費用感を紹介します。
HONMA直営店に依頼した時の費用
グリップ交換をご依頼いただいた場合、グリップ本体の価格+工賃800円/本がかかります。グリップ本体の価格については、本記事のリストからご確認ください。
また、グリップに使用する溶剤の乾燥時間が必要なことから、基本的に即日でのグリップ交換はできませんので、次のラウンドまで余裕をもってご依頼いただくようにお願いしています。
自分で交換する場合
グリップは自分でも交換することができます。自分に合ったグリップのニュアンスを再現したい方は、ご自身で交換をするのも良いでしょう。
必要な道具
- グリップカッター
- 両面テープ
- 溶剤
- マスキングテープ
- 新しいグリップ
グリップカッターは、自宅にあるカッターでも代用が可能です。しかしクラブに傷がつく可能性があるため、心配な方は専用のグリップカッターを使用しましょう。

道具を揃えるためにかかる費用
グリップカッターであれば、大手ECサイトなどで880円前後〜販売しています。それ以外の両面テープや溶剤などを合わせた交換キットが1,300円前後で販売されていることから、マジックなどを合わせても工具関係は2,000円台で揃えることが可能です。
ゴルフを頻繁に行う方は、グリップをご自身で変えた方がコスト的に安く収まるでしょう。
グリップを自分で交換する
ここからはセルフでグリップを交換する方法を紹介します。慣れれば難しく感じない方が多い比較的簡単な工程です。ぜひ参考にしてください。
1.専用カッターでグリップカットをする
まず、クラブについているグリップを剥がします。シャフトを傷つけないようにヘッド側からカットしてください。特にカーボンシャフトは傷がつくと繊維が切れてしまうため、細心の注意を払いつつカットしてください。定期的に交換し硬くなっていないグリップであれば、少し切れ目を入れた後に手でちぎっていくこともできます。


2.丁寧に両面テープを剥がす
グリップを取り除いたら、次は両面テープを丁寧に剥がします。テープや粘着剤が残ってしまうと、握り心地が凸凹になってしまいます。古いテープが剥がれにくい場合は、ドライヤーの熱で温めたり、交換キットの溶液をかけると剥がれやすくなります。


全てテープや粘着剤がとれたら、シャフトを交換溶液で拭きます。

好みの太さに合わせて両面テープを巻きつける
今度は、新しい両面テープを貼りつけましょう。両面テープの貼り方には縦巻きと螺旋巻きの2種類がありますが、螺旋巻きは均等に巻くのに技術がいるため、初心者は縦巻きからスタートするのがおすすめです。


グリップの巻き終わりにマスキングで印をつけておくとどこまで両面テープを巻けばよいかがわかりやすく、作業しやすくなります。




両面テープのエンドの処理は、なるべく内へ内へと収めるようにするのがポイントです。はみ出すとグリップが入りづらくなりますので注意してください。
4.一気にグリップを入れる
両面テープを貼り終えたら、グリップを挿入しましょう。両面テープの表側を剥がし、粘着部分が露出した状態で交換溶液をグリップに吹きかけます。同時に、グリップの中にも交換溶液を吹きつけて、一気にグリップを差し込んでください。




時間をかけてしまうと、途中で止まってしまうため、素早くグリップを挿入することが大切です。
5.最後の微調整
グリップを挿入したら、最後はしっかりとグリップエンドまで挿入されているか確認します。クラブを逆さまにしてグリップ側を地面に押しつけ、最後まで入っているか確認してみてください。この時、グリップの厚みが均一になるように全体を均等に伸ばすのがポイントです。押し込み終わったら、グリップとヘッドの向きを確認します。


最後は綺麗にグリップについた溶剤を拭いて、丸一日乾かせば完成です。


長持ちするグリップの手入れ方法
普段使っているクラブの手入れと同じように、グリップも手入れをしてあげることで長持ちするようになります。素材を劣化させる手の油や水分をコントロールしてあげることも大切です。
汚れがひどい場合は、中性洗剤をつけた布でふく
汚れなどが軽微な場合は、濡らして絞ったタオルでグリップを拭きあげましょう。ゴルフバックに入れっぱなしにすると、グリップ側は空気に触れづらい状態になってしまいます。ラウンドや練習後などは、キャディバックから出してグリップを拭いて乾燥させましょう。
また、雨でのラウンドの後や、汚れがひどい場合には中性洗剤を使用して、その泡でグリップを洗いましょう。強く擦りすぎると、グリップが削れる原因になるので優しく洗い、その後水で洗い流します。
水分拭き取り・陰干し
最後はグリップの劣化の原因となる水分を拭き取ります。しっかりと拭き取ったら、紫外線に当てないように陰干しします。このように手入れをするだけで、グリップの持ちが変わってきます。
本間ゴルフのグリップ紹介
本間ゴルフで販売されているグリップをご紹介します。最新モデルに装着しているグリップも販売しております。なお、商品によってはネットではなく実店舗でのみ販売しているモデルもあります。
シリーズ | MENS / LADIES | モデル名 | 総重量(g) | サイズ | バック ライン |
---|---|---|---|---|---|
GS | MENS | HONMA ラバーグリップ A61/44g 黒/白 | 44g | A61 | あり |
LADIES | HONMA ラバーグリップ A59/37g グレー/白 | 37g | A59 | あり | |
GS PROTOTYPE | – | TR ラバーグリップ M60X 白 | 49.5g | 60 | あり |
TW757 | – | TRCNラバーグリップ | 50g | M60 | あり |
TW-W2024年モデル BERES AIZU (2S/3S) BERES BLACK | HONMA ラバーグリップ M58 白 (バックライン無し) | 49.5g | M58R | なし | |
HONMA ラバーグリップ M60 白 (バックライン無し) | 51.5g | M60R | なし | ||
MENS | HONMA ラバーグリップ M60/41g 金 | 41g | M60 | あり | |
LADIES | HONMA ラバーグリップ 59/36g 金 | 36g | 59 | あり | |
BERES NX | MENS | HONMA ラバーグリップ M60/41g 金 | 41g | M60 | あり |
LADIES | HONMA ラバーグリップ 59/36g 金 | 36g | 59 | あり | |
BERES2024年モデル(BLACK/3S) | MENS | HONMA ラバーグリップ M60/41g 金 | 41g | M60 | あり |
LADIES | HONMA ラバーグリップ 59/32g 金 | 32g | 59 | あり | |
SAKATA LAB PUTTER | HONMA ラバー パターグリップ 黒 | 68g | あり |
HONMA直営店でクラブを購入すると安心です
本間ゴルフには、研修を重ねたうえで厳しい検定に合格したクラブ選びのプロ「認定クラブフィッター」が在籍しています。ご使用中のクラブの状況や悩みをお伺いし、お客様のスイングや打球データ、目指すゴルフスタイルなどをもとに最適なクラブ選びをお手伝いいたします。
ベテランだけでなく、初心者の方やクラブ選びに迷っている方も、お気軽に店舗にお越しください。
なお、HONMA直営店でゴルフクラブをお買い上げいただいた方には、クラブの定期診断を無料で実施させていただきます。定期診断の際には、ボール(2個)をプレゼントしております。
詳しくはこちらから↓
※ご注意事項
- WEB MEMBERS会員かつポイントカード番号をご登録されているお客様が対象となります。
- 本間ゴルフ直営店にて、2019年6月1日以降にご購入いただいたクラブが対象となります。
- パークゴルフクラブおよび中古クラブ等一部クラブは対象外となります。
- 本サービスは予告なく変更・中止する場合がございます。